海外生活が長くなると、ふとした瞬間に無性に恋しくなるのが「日本の味」です。その代表格といえば、老若男女問わず愛される国民食・カレーライスではないでしょうか。
私もボストンでの生活が始まってすぐ、「そろそろ日本のカレーが食べたいな」と、現地のスーパーへ向かいました。
そこで「Made in Japan」の文字を見つけて安心したものの、実際に作って食べてみると「あれ、なんだか普段と少し味が違う……?」と感じたのが最初のきっかけでした。
今回は、ボストンのスーパー事情と、現地で美味しい日本のカレーを再現するための我が家の工夫、そしてカレーをさらに楽しむためのちょっとしたアイデアをご紹介します。
現地で買える「Made in Japan」のルー、なのに何かが物足りない理由
日本の肉製品や肉エキスが含まれる加工品は、アメリカへの持ち込みが制限されているため、日本からお気に入りのカレールーを持参することはできません。そのため、アメリカでいわゆる日本のカレーを作ろうと思ったら、現地でカレールーを買うことが基本になります。
ボストンのアジア系スーパーや日系スーパーに行くと、おなじみの日本のメーカーの箱が並んでおり、「現地でも買えるんだ」とホッとします。完全なローカルスーパーのアジア食材の棚にもカレールーはあります。パッケージには「Made in Japan」の文字もしっかり記されています。
ただ、実際に作ってみると、日本のスーパーで買うものと比べて「なんだか少しコクが足りないような、さっぱりした仕上がりだな」と感じました。 調べてみると、輸出用の商品は現地の原材料の基準などに合わせてスパイスの配合などが調整されていることが多く、この違いは多くの留学生や在住者の方も感じているポイントのようでした。
ちょっとした工夫で近づく!我が家の「ちょい足し」レシピ
「もう少し日本の味に近づけたいな」と思い、現地で手に入る身近な調味料を使って試行錯誤を重ねてみました。
現在、我が家のカレーで活躍している定番の組み合わせは以下の通りです。
トマト缶:酸味と旨味をプラスしてくれる心強い味方です。どこのスーパーでもたくさんの種類を扱っており、私のお気に入りはダイスカット(角切り)です。トマト缶の分の水の量を調整します。カレールーと煮込むと、思ったほどのトマトは主張してこなくて、意外とマイルドな仕上がりになります。
コンソメ:スープのベースをしっかり支えてくれるアイテムです。肉エキスが入ってないことが味の違いの原因かと思うので、コンソメとバターを加えることにしました。
ケチャップ&ウスターソース:日本の家庭でもおなじみの隠し味ですが、こちらで物足りなさを感じたときにも、甘みやコクを補うのに役立ちます。特に分量などは気にせずに、毎回本当に適当な目分量です。味をみながら調整します。
これらをバランスよく加えることで、現地のルーでも家族みんなが「これこれ、この味!」と喜んでくれる、美味しいカレーが作れるようになりました。
お米の選択肢とアメリカの野菜の意外なポテンシャル
カレーのルーだけでなく、合わせるお米や具材選びも大切なポイントです。
私は日本にいた頃からお気に入りだった北海道の「ななつぼし」をWeeeで購入しています。程よい粘りとさっぱりした甘みが、我が家のカレーにもよく合います。
さらに、カレーの具材である野菜についてご紹介します。 アメリカのスーパーに並んでいるジャガイモは、実は日本のものに比べて煮崩れしにくいという特徴があり、カレーやシチューでじっくり煮込む用途にはぴったりです。
形がしっかりと残り、ゴロゴロとした存在感をキープしてくれ、食べ応えがあり、とっても美味しいです。
もう一つ、カレーに入れる食材代表として、ナスです。
アメリカのナスがどんなものかご存知でしょうか?本当に大きくて、お化けナスという表現がぴったりです。
1つで日本のナス、1パック分以上になります。皮は硬くて食べられないので、剥いてから調理します。身もしっかりしているので、カレーで煮込んでも崩れません。日本のなすと比べてエグ味が気になる時もあるので、むしろカレーで頂くと美味しいです。
続いて人参です。アメリカの人参はとにかく細い。皮を剥いたらなくなってしまいそうなほど細いです。イメージはピーターラビットです。味は日本のものと特に変わりないように思います。
玉ねぎもほとんど日本のものと変わりありません。ただ、ジャガイモと玉ねぎはスーパーに日本よりもずっと多くの種類が並んでいて、慣れないうちは迷いました。玉ねぎはカレーやスープなど火を通す前提のもの、辛味が弱く、サラダなど生でも美味しいものなど、使い分けも楽しいです。
お米だけじゃない!カレーを彩る相棒たち
こうした定番の組み合わせが定着する一方で、海外生活ならではの食卓のバリエーションも楽しんでいます。
我が家では、白米の代わりに「ワイルドライス」を炊いてみることもあります。
縦長のお米で、独特の香ばしい風味とプチプチした食感があり、雑穀米に近い感覚で、スパイシーなカレーと合わせるとまた違った美味しさを楽しめます。
また、アルジェリア人のママ友に教わった「クスクス」にカレーを合わせてみたところ、これがスープ状のルーをしっかり吸ってくれてとても美味しく仕上がりました。
付け合わせにらっきょうや福神漬けが欲しいところですが、これも簡単に手に入るもので代用することになります。おすすめは、ピクルスとザワークラウトです。
この2つならどこでも手に入りますし、口の中もさっぱりしてとても美味しいです。日本ではあまり馴染みがありませんでしたが、色々な食文化に触れられるのも海外生活の楽しみの一つです。
おわりに
現地調達のカレールーの味の違いに最初は少し戸惑いもありましたが、ちょっとした工夫や、現地のスーパーで見つけた食材を取り入れることで、今では我が家の定番の味がしっかり形作られていきました。
現地のスーパーの棚を眺めながら、「今度はこれをどう使ってみようか」と考える時間も、日々の生活の小さな楽しみになっています。
今日もボストンのキッチンで、トマト缶やコンソメを片手に、我が家の味を整えるひととき。この記事が、これからボストンに来られる方や、同じように日々の食事を工夫されている方の参考になれば嬉しいです。
参考までにMaruichiで取り扱いのあるカレールーをご紹介します。
・S &B とろけるカレー 甘口、中辛、辛口
・S &B ゴールデンカレー 甘口、中辛、辛口
・ハウス こくまろ 中辛、辛口
・ハウス ジャワカレー 中辛、辛口
・ハウス バーモントカレー 甘口、中辛、辛口



