こんにちは。
私は2025年春から、主人の研究留学に帯同する形でフランスに滞在しています。
フランス留学において、VISAと滞在許可証の手続きは避けて通れませんが、言葉の壁や制度の複雑さから、思いがけず戸惑う場面も少なくありません。
私自身も、渡仏前後でそれぞれ違った形の混乱を経験しました。
今回はそのときのことを、振り返りながらまとめてみたいと思います。
VISAと滞在許可証の違いからスタート
まず最初に理解したのが、VISAと滞在許可証の違いでした。
- VISA:フランスへの入国および初期滞在のための許可
- 滞在許可証(titre de séjour):フランスで継続して滞在するための許可
前任の先生からの情報やネット上の情報など、事前に情報は集めていたつもりでしたが、実際の運用やケースごとの違いは想像以上に分かりにくく、その都度立ち止まりながら進める形になりました。
渡仏前に混乱した3ヶ月のVISA
渡仏前、我が家が戸惑ったのが3ヶ月のVISAでした。
前任の先生からは、
「VISAの有効期限は3ヶ月だけど、その期間内にフランスで滞在許可証を申請すれば問題ないよ。」
と聞いた状態で申請を進めていました。
ところが、在日フランス大使館で申請した際に、
「1年のものもありますが、3ヶ月でよろしいですか?」
と確認され、少し違和感を覚えました。
さらに、発行されたVISAをフランスの受け入れ機関に送ると、
「なぜ1年のものではないのですか?」
という趣旨の返信があり、不安が一気に大きくなりました。
申請を間違えたのではないか?このまま渡仏して大丈夫なのか?
出発前にもかかわらず、我が家はちょっとしたパニック状態になったのを覚えています。
ただ、日程的にVISAの取り直しは難しく、最終的にはそのまま渡仏し、VISAの有効期限内に滞在許可証を申請するという選択をしました。
後から整理すると、研究者としての渡仏(Passeport Talent – chercheur)においては、
- 滞在期間が12ヶ月未満の場合:VLS-TSビザを取得し、渡仏後にオンラインで有効化
- 滞在期間が12ヶ月以上の場合:3ヶ月のビザで入国し、その後滞在許可証を申請
という違いがあるようでした。
(※ビザの種類や滞在目的によって運用が異なる可能性があります)
当時はこの前提を十分に理解できていなかったため、大使館と受け入れ機関それぞれの説明に戸惑ってしまったのだと思います。
渡仏後に直面した滞在許可証の壁
VISAで混乱しながら渡仏し、次に直面したのが滞在許可証の申請です。
実際に申請を進めてみると、思うようにいかないことが多く、結果的に3回やり直すことになりました。
私自身の理解不足やフランス語の壁もあり、
- 主人の滞在許可証番号の入力に関する点
- 添付書類の不備とみられる点
- 申請区分の修正(passeport talent famille)
といった指摘を受け、申請中のサイトが突然クローズされてしまうことがありました。
フランスでは、申請の際にPhotomaton(証明写真機)で撮影したデータ番号付きの証明写真が必要なのですが、申請サイトがクローズされると、それまでの入力内容は引き継がれず、データ番号も無効になってしまいます。
そのため、そのたびに写真を撮り直し、最初から申請をやり直すことになりました。
手続きを繰り返すうちに、気づけばVISAの有効期限も迫り、不安を抱えながらメールで問い合わせを行い、なんとか進めていた時期でした。
※申請中に手続きの影響でVISAの有効期限を越えそうになった場合、先方からVISAの有効期限を延長する書類が発行されることもあるようです。
実際に提出した書類(帯同家族の場合)
最終的に、帯同家族として提出した書類は以下の通りです。
- 戸籍謄本の法定翻訳
- フランスでの居住証明(電気代・ガス代・家賃請求書など)
- 同居を証明する書類(住宅保険・déclaration sur l’honneur など)
- 主人の滞在許可証
我が家の場合、居住証明は主人名義のものしかなかったため、同居を証明する書類として私の名前も記載されていた住宅保険の書類とdéclaration sur l’honneur(自己申告の同居証明書)を提出しました。
また、主人の滞在許可証に関しては、必須かどうかはケースによるかもしれませんが、帯同家族としての関係性を示すために念のため提出しました。
滞在許可証の前に発行されるレセピセ(récépissé)
滞在許可証の申請が受理されると、レセピセ(récépissé)と呼ばれる申請中であることを示す一時的な滞在証明書が発行されます。
これにより、正式な滞在許可証が発行されるまでの間も滞在が認められている状態となり、ひとまず安心材料になりました。
その後は、滞在許可証の準備が整うと連絡が来る流れとなっており、基本的には案内に従って手続きを進めました。
一方で、周囲では連絡が来ないまま時間が過ぎていくケースや、問い合わせたところすでに準備ができていたという話もありました。
状況によって対応は異なるようなので、気になる場合は確認してみてもよいかもしれません。
子供の身分証明書
フランスでは、未成年(18歳未満)は通常、滞在許可証は不要で、代わりにDCEM(Document de circulation pour étranger mineur)という身分証明書を発行することができます。
これはフランスの出入国、特にシェンゲン協定外の国へ行くときに必要になるので、我が家でも申請しました。
申請時には出生証明書の提出を求められました。
日本には単独の出生証明書はありませんが、在フランス日本国大使館で申請すると発行してもらえるようです。
我が家ではそのことを知らなかったので、戸籍謄本の法定翻訳と、念のため手元にあった母子手帳の出生届出済証明の法定翻訳も提出しました。
子どもの場合もPhotomatonでの写真撮影が必要になるので、年齢によってはちょっと大変かもしれません。
振り返って感じたこと
渡仏前はVISA、渡仏後は滞在許可証と、どちらも「これで合っているのか分からない」という不安を抱えながら進める場面が多くありました。
フランス語に不慣れで翻訳を使いながら進めたこともあり、その分迷いやすかったように思います。
ただ、こちらで生活していると、同じように手続きでつまずく話は意外と多く、途中でうまくいかないこと自体は特別なことではないと感じるようになりました。
おわりに
渡仏前後の手続きは想像以上に複雑で、小さなことでも大きな不安につながりやすいものでした。
この経験が、これから渡仏される方にとって少しでも参考になれば嬉しいです。
なお、VISAや滞在許可証の制度は変更される可能性があるため、最新の情報は必ず公式機関の案内をご確認ください。