海外留学に家族で帯同するとき、つい先に考えるのは、仕事や子どものこと、渡航後の生活です。
でも、あとから振り返ると、その前に知っておきたかったことがありました。
それが、家探しとメガネの準備です。
日本の新学期に渡米した私たちが、実際に苦労したこの2つについてまとめます。
日本の新学期にアメリカへ行く、ということ
まず私が見落としていたのは、米国の引っ越し時期は日本とずれていて、その差が物件の出方にもかなり影響するということです。
日本にいると、3月末から4月に生活が切り替わる感覚が自然です。
しかし、米国の賃貸市場はそれとは少し違います。引っ越しは夏に集中しやすく、6〜8月に物件が動きやすい一方、冬は動きが鈍くなりがちです。
実際、私が住んでいた物件でも、冬の退去は扱いが厳しく、時期によっては違約金のような負担が発生しうる契約内容でした。
渡米時期は留学・勤務先の事情で自由に決められないことも少なくありません。
実際、私たちが渡航した3〜4月は物件の空きが少なく、さらに準備のピークだった12〜2月は、もっと厳しかった印象です。
しかも、どこでも住めるわけではありません。
「この通りより向こうは避けたほうがよい」「ここはダウンタウンで幼い子ども連れにはやや不向き」など、その土地ならではの注意点があります。
諸先輩方からそうした話を伺っていた私たちは、ある程度地域を絞って探すことになりました。
当然ですが、条件がよい物件ほど家賃も上がります。
11月頃から家探しアプリのZillowを使って探していましたが、よさそうな物件はなかなか見つかりませんでした。
結局、渡航日になっても住まいは決まっていませんでした。
意外とアナログだった、家探し
家探しアプリ自体は便利です。
Zillowのほか、Apartments.com や Realtor.com などもあり、日本からでも物件の雰囲気はかなり見られます。
ただ、実際にやってみると、設定上の便利さと、現実の進み方は少し違いました。
メッセージを送っても返事がない。
電話しても、国際電話だと怪しまれて出てもらえない。
ところが、現地にいる知人に電話してもらうと、すぐにつながる。そんなこともありました。
さらに大きかったのは、渡米前後は信用情報がほとんどないことです。
銀行口座の開設前だったり、収入見込みの説明を求められたり、保証人の話が出たりする。
家探しは「空いているか」だけではなく、「借りられるか」が同じくらい重要でした。
しかも、その場で会って話してみると変わることもあります。
日本から連絡しても反応がなかったのに、実際に会って事情を説明すると、収入や残高の条件について柔軟に対応してくれることがありました。
このあたりは、日本よりも対面のやり取りが重視される場面がある、と感じました。
この経験から思うのは、家族全員で一気に渡るより、一人が先に渡米して、ホテルやAirbnbなどに数週間滞在し、その間に住まいを決めるほうが進めやすい、ということです。
私たちは夫が2週間だけ先に動ける形にしましたが、それでもかなりぎりぎりでした。
短期滞在先を取らずに進めるなら、家族は物件を確保してから別便にしたほうが安全かもしれません。
飛行機に乗っている間に決まった家
そんな中で、Zillowを必死に見続け、夫が飛行機で空を移動している最中に、ようやく条件にかなり近い物件が見つかりました。
ただし、入居できるのは4か月限定でした。
車がなくても通勤できる。
オートロックがある。
バスタブがある。
エアコンつき。
2階以上。
洗濯機が部屋にある。
1BR、日本でいう1LDKに近い間取りで、家賃は月2300ドルほど。
危険とされる地域まで広げればもっと安い物件もありますが、安全とされる範囲で考えると、「狭いぶん、まだ抑えられている」という印象でした。
築100年ほどの建物で、理想通りではないけれど、その時点ではかなりありがたい物件でした。
結局私たちは、渡米後4か月で引っ越しをすることが決まったのです。
ちなみに、日本でいう「マンション」のような物件でも、英語で mansion というと大邸宅の意味になります。
そのため、普通の集合住宅に住んでいるなら、I live in an apartment. と言ったほうが自然だそうです。私は、驚かれたことがあります。
次に困ったのは、もっと日常的なことだった
住まいの次に困ったのは、もっと日常的なことでした。
それが、メガネです。
3月下旬に渡米してすぐに感じたのは、「思ったより眩しい」ということでした。
光の感じ方は、天候や環境、個人差にも左右されるので一概には言えません。
ただ、私にはかなり眩しく感じられました。
それまで私は、サングラスをほとんど「おしゃれな人の持ち物」くらいに考えていて、持参していませんでした。
結果として、散歩もしんどい、車の運転はさらにきつい、という状態になりました。
しかもコンタクトレンズは少量しか持っておらず、渡米早々、度付きサングラスを用意する必要に迫られました。
日本の感覚では進まなかった、メガネ購入
ここで盲点だったのが、度付きメガネや度付きサングラスをどう作るかでした。
私は日本の感覚で、眼鏡店に行けば、視力を測ってそのまま購入できると思っていました。
しかし、少なくとも私がいた環境では、その感覚では進みませんでした。
比較的手軽に見えるWarby ParkerやCostco Opticalでも、まず有効な prescription を持参するか、店内または隣接する optometrist で eye exam を受ける流れが案内されています。
メガネを買うにも、
保険の確認 → 受診予約 → 診察 → 処方箋取得 → 作成
という流れを想定する必要がある、ということです。
ここで出てくるのが vision insurance、つまり目の保険です。
米国では、成人の vision や dental が、医療保険にそのまま含まれていないことがあります。
歯が別というのは知っていましたが、目も独立しているのは私には新鮮でした。
なお、目の保険がなくても、眼科で処方箋を出してもらうこと自体はできます。
私の場合は、登録していた保険が使えず、結局ほぼ自費で100ドルほど払って眼科検査を受けることになりました。
また、実際に眼科を受診すると、glaucoma(緑内障)や macular degeneration(加齢黄斑変性)の既往、floaters(飛蚊症)の有無などを聞かれることがあります。
最低限の眼科用語を少し調べておくと、安心かもしれません。
私自身、問診では聞かれたことに必死で答えていたら、いつの間にか散瞳薬まで入っていて、診察後は真っ黒な簡易サングラス姿で帰ることになりました。
日本にいると、必要になったら現地で買えばよい、と思いがちです。
でも、目が悪い人ほど、この部分は先に確認しておいたほうがよいと思います。メガネを忘れることはあまりないと思いますが、度付きサングラスのことも心の片隅においておくとよいかもしれません。
私自身、これはかなりはっきり、日本で準備しておけばよかったと感じました。
まとめ
渡米前は、どうしても大きな手続きに意識が向きます。
でも実際には、家探しやメガネのような、生活のかなり手前にある準備も、その後の負担を大きく左右しました。
日本の新学期に合わせて動く場合は、米国の賃貸市場の時期とずれやすいこと。
そして、目が悪い場合は、メガネや度付きサングラスを日本と同じ感覚では用意しにくいこと。
この2つを知っているだけでも、渡米直後のあわただしさは少し違ってくるかもしれません。
これから留学する予定の方や、そのご家族の参考になればうれしいです。
同じように海外生活を送る方に、「そういうことあるな」と思っていただけたら、それもまたうれしく思います。